井戸水や水道水は、いわゆる純粋な水(H2O)ではなく、さまざまな不純物を含んでいます。とくにカルシウムイオンやマグネシウムイオンは多く含んでおり、水道水に関しては消毒用の残留塩素も含まれています。
活性炭やイオン交換樹脂、RO膜(逆浸透膜)を利用して、これらのイオンを除去した水を純水と呼びます。
純水の電気伝導率は、通常は0.5~10µS/cm以下です。
水は化学記号ではH2Oと表示されます。
純粋なH2Oのみの水は電気を通しませんが(電気伝導率が限りなくゼロ)、NaCℓやCa(HCO3)2、シリカ(SiO2)などの不純物が溶けた水は電気を通すようになります。
その電気の通りやすさを示したのが電気伝導率で、例えば0.5µS/cmとは、不純物のすべてがNaCℓとすると約0.2mgのNaCℓが水1ℓに溶けている状態、10µS/cmとは2mgのNaCℓが水に溶けている状態となります。
産業の発展と純水
日本の高度成長には純水が極めて大きな役割を果たしました。
あらゆる物を溶解させ洗浄する能力、発電用のボイラ水、石油化学工業における蒸気、反応をさせる媒体としての高い機能が純水の使用される主な役割です。
産業が高度化し、極めて高い精度やクオリティを求められるようになり、それに伴い純水も広く普及していきました。
また水の中に含まれるカルシウム、マグネシウムの量を硬度と呼んでいます。硬度が高い場合、軟水器によって除去しRO膜の負担を低くする方法が一般的です。
純水とその他の水質比較
工業用水 | 井戸水 | 水道水 | 純水 | |
電気伝導(µS/cm) | 50~500 | 50~500 | 50~500 | 0.1~10 |
微粒子(個/mℓ) | 数千個~ | 数千個~ | 数千個~ | |
生菌(個/mℓ) | 数千個~ | 数千個~ | 数千個~ | |
TOC(mg/ℓ) | 1~15 | 1~15 | 1~15 | 1~15 |
SiO2(mg/ℓ) | 10~70 | 10~70 | 10~70 | 1以下 |
濁度(度) | 10~15 | 10~10 | 2以下 | 1以下 |