NF膜について
ナノろ過膜(NF膜)は、逆浸透膜(RO膜)と限外ろ過膜(UF膜)の中間の性能がある膜のことです。
除外対象は1nmサイズの分子です。その為、低分子量の有機物にはあまり高い除去性能は無く、分子量数百程度以上の有機物はほぼ完全に分離することができます。操作圧力は、0.3~1.0MPa程度で比較的低いものが多く販売されています。
NF膜の大きな特徴として、2価イオンは除去するのに対し、1価イオンは透過しやすいということです。例えば、某製品では、Mg2+の阻止率が80%、Na+の阻止率が55%であり、SO42-の阻止率が99%以上であるのに対し、CL-の阻止率は55%です。この特性が、硬水の軟水化等に多く利用されています。
NF膜の適用分野
NF膜は上記で挙げたように主に脱塩・硬度処理(軟水化)用途で使用されていますが、最近では浄水高度処理用途にも使用されています。浄水用途では、消毒副生成物前駆体除去(トリハロメタン前駆体)、臭気物質、合成化学物質の除去(シマジン、アトラジンといった農薬類、合成洗剤等、界面活性剤)が除去対象となっています。
低圧RO膜
1980年代半ばに1.5MPaで操作することができる高阻止率、高透過性の全芳香族架橋ポリアミド複合低圧膜が開発されました。各社の膜メーカーから低圧(運転圧力~1MPa)、超低圧(1~2MPa)、耐熱グレードのRO膜が販売されています。
耐汚染性低圧RO膜
下水、廃水などの処理にRO膜を適用する場合、原水中に含まれるケーク物質、ゲル状物質、スケール成分、吸着物質、バイオファウリング物質等の検討が必要です。これらに対して耐性のある低圧で操作できる各種のRO膜が各社から販売されています。